うたまくら
古くは歌語そのものを指したが、平安時代中期以降、和歌に読み込まれる特定の名所やその地名を指すようになる。このような歌枕は、すでに『万葉集』に見られるが、『古今和歌集』で定着した。
多くは枕詞・序詞・縁語・掛詞などの修辞と併用される。
歌枕が和歌に読み込まれる場合、単に地名を表すだけでなく、たとえば「竜田川の紅葉」「吉野の桜」など特定のイメージを伴って、和歌の表現の一つとなっている。