rhizome:部立
部立
ぶたて
定義
和歌集で、和歌のテーマによる分類。
万葉集の場合、雑歌・相聞歌・挽歌の三大部立があり、古今和歌集では、春(上・下)・夏・秋(上・下)・冬・賀・離別・羈旅・物名・恋(一〜五)・哀傷・雑歌(上・下)・雑体・大歌所御歌の部立がある。
古今和歌集の部立は、含まれる内容が変わったり神祇・釈教が加わるなど、時代により多少の変化はあるが、おおむねこれ以降の歌集に踏襲された。
万葉集の三大部立
雑歌
雑歌。「ぞうのうた」、「くさぐさのうた」とも読む。相聞、挽歌以外の歌をすべていう。万葉集では相聞・挽歌よりも前に配置され、重んじられる。
相聞
相聞。古今集以降の部立に見られる、恋歌に相当し、男女の恋の歌を中心にするが、肉親や友人間の愛情も含まれる。
挽歌
挽歌。葬送の歌、病中の作、追悼など、人の死に関する歌。
古今和歌集以降の主な部立
四季
四季を詠んだ歌。春(陰暦1〜3月)夏(陰暦4〜6月)秋(陰暦7から9月)冬(陰暦10〜12月)それぞれあるが、とりわけ春と秋が多い。
賀
離別
離別歌。任官・寺社参詣・遊覧など、旅立ちの別れの情を詠んだ歌。
羈旅歌と密接な関係にあり、拾遺和歌集・金葉和歌集・詞花和歌集では離別部に羈旅歌を含み、新古今和歌集以降では、新勅撰和歌集・続古今和歌集・続拾遺和歌集・続千載和歌集・風雅和歌集で羈旅部に離別歌が含まれる。
羈旅
物名
恋
恋歌。「こいうた」「こいか」とも読む。恋愛を詠んだ歌。万葉集の相聞に該当する。
哀傷
人の死を悲しみ追悼する歌。万葉集の挽歌に相当する。死去、葬送から、死者の述懐、辞世の歌など。
雑歌
雑歌。「ぞうのうた」「くさぐさのうた」とも読む。上記の部立に分類できない歌。日常性の高い歌が多い。万葉集の三大部立の一つでもあるが、古今和歌集以降の雑歌とは内容が異なる。
rhizome/部立.txt · 最終更新: 2014/03/16 04:39 by 127.0.0.1