text:zotanshu:zotan04-03
目次
巻4第3話(26) 作半の事
校訂本文
見目形(みめかたち)もよき児(ちご)は、人愛しもてなし、酒宴等に出仕し遊びて、身苦し。連 歌・管絃などし、もしは歌ひ舞ひなどして、いたづらに遊ぶほどに、学問もせぬ。公役(くやく)みなこれ損なり。青蝦(あをがへる)の蛇に呑まるるがごとし。見目悪(わろ)く、人に目も見せられぬえせ児は、暇(いとま)ありて、学問すればこれ得なり。癩蝦(かたいがへる)の蛇に呑まれぬがごとし。これまた作半(さくはん)なり。
かくのごとく、万事思ひ解けば、夢中の貧富・苦楽、憂喜(うき)するにあらず。観念を平等の法門にかけて、心地(しんぢ)に一如本源(いちによほんげん)に達すべし。これ道人の義なるべし。書に云はく、「皮に文(もん)あるは剥がる。角の美なるは殺さる。膏(あぶら)ある者は煎(に)らる。音(こゑ)ある者は撃たる。甘泉(かんせん)は渇き、貞木は切らる。これみな得の下に失あり。されば作半(さくはん)なり。
翻刻
作半事 ミメ形モヨキ児ハ人愛シモテナシ酒宴等ニ出仕シ遊テ身クルシ連 歌管絃ナトシ若ハ歌ヒ舞ナトシテ徒ニ遊フ程ニ学問モセヌ公伇 ミナコレ損也青蝦ノ蛇ニ呑ルルカ如シミメワロク人ニ目モ見セラレ/2-29l
https://dl.ndl.go.jp/pid/13384727/1/29
ヌエセ児ハイトマアリテ学問スレハコレ得也癩蝦ノ蛇ニ呑レヌカ 如シ此レ又作半也如ク此ノ万事思ヒ解ケハ夢中ノ貧冨苦楽憂喜スル ニアラス観念ヲ平等ノ法門ニカケテ心地ニ一如本源ニ達スヘシ コレ道人ノ義ナルヘシ書ニ云ク皮ニ文アルハ剥ル角ノ美ナルハ殺サル 膏アル者ノハ煎ラル音アル者ノハ撃タル甘泉ハ渇貞木ハ切ラルコレミナ得ノ 下ニ有失サレハ作半也/2-30r
text/zotanshu/zotan04-03.txt · 最終更新: by Satoshi Nakagawa
