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text:takafusa:s_takafusa022

隆房集

22 知るらめやせめてあふひのまれなれば名をさへたどる今日のかざしを

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四月、みあれの日1)、人の使にて、立ちながら逢ひたりしに、「今はこの世を思ひ捨てて、いかならむ野山の末にも、二人あらむ」など語らひし時、髪にかけたりし葵(あふひ)を取りて、「これは何ぞ」と問ひしことの忘れがたければ、

  知るらめやせめてあふひのまれなれば名をさへたどる今日のかざしを2)

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翻刻

 四月みあれのひ人のつかひにて
 たちなからあひたりしにい
 まはこのよをおもひすてていか
 ならむの山のすゑにもふたり
 あらむなとかたらひしときかみ
 にかけたりしあふひをとりて
 これはなにそととひしことの
 わすれかたけれは/s14l

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100002834/14?ln=ja

しるらめやせめてあふひのまれなれは
なをさへたとるけふのかたしを/s15r

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100002834/15?ln=ja

1)
葵祭の前日
2)
「かざしを」は底本「かたしを」。群書類従本により訂正。
text/takafusa/s_takafusa022.txt · 最終更新: 2024/03/16 22:13 by Satoshi Nakagawa