text:takafusa:s_takafusa021
21 思ひかね心は空にみちのくのちかの塩釜ちかきかひなし
校訂本文
若き人々集まりて、て□□□1)などするところに、この人もその中にあり。よそなるさまに物語などするほどに、しのびあまりぬる心の内の色にや出でぬらむ、硯を引き寄せて、「陸奥国(みちのくに)千賀(ちか)の塩釜」と書きて、投げおこせたりしことの、常は思ひ出でられて、
思ひかね心は空にみちのくのちかの塩釜ちかきかひなし
翻刻
わかき人々あつまりてて□□ なとするところにこの人もその なかにありよそなるさまに ものかたりなとするほとにし のひあまりぬるこころのうちの いろにやいてぬらむすすりをひ きよせてみちのくにちかのし ほかまとかきてなけおこせ たりしことのつねはおもひいて られて/s14r
おもひかねこころはそらにみちのくの ちかのしほかまちかきかひなし/s14l
1)
底本破損して欠字。「てならひ(手習い)」か。群書類従本「わかき人々あつまりて。よそなるやうにて物がたりなどするほどに・・・」
text/takafusa/s_takafusa021.txt · 最終更新: 2024/03/16 22:17 by Satoshi Nakagawa