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text:sesuisho:n_sesuisho7-120

醒睡笑 巻7 舞

13 和泉の堺北の庄に御坊というて本願寺の末寺あり・・・

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和泉の堺、北の庄に、御坊というて、本願寺の末寺あり。かの寺建立成就し、平野といふ所より、大頭(だいがしら)の流れ、舞大夫(まいだいふ)を呼び、堂の祝ひに舞はする。

高館(たかだち)を始めけるが、「破れた堂」といふ前にて、「あつ」と思ひ、「破れた胴亀(どうがめ)岩の洞(ほら)1)」と。

時にあたりての廃忘は何の上にもあらん2)

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一 いつみの堺北の庄(しやう)に御坊といふて本願寺(ほんぐわんじ)の
  末寺(まつし)あり彼寺建立(こんりう)成就(じやうしゆ)し平野といふ所
  より大頭のながれ舞大夫をよび堂の祝
  にまはする高館(たかたち)をはしめけるか破(やぶ)れた堂
  といふまへにてあつとおもひやふれただうが/n7-57r
  めいはの洞(ほらと)と
   時にあたりての廃忘はなにの上にもあらん/n7-57l
1)
舞の本「高館」の「破れた堂・寺・岩の洞」を言いかえた。胴亀はスッポン。
2)
底本この文一文字下げで小書き。
text/sesuisho/n_sesuisho7-120.txt · 最終更新: 2022/09/16 18:24 by Satoshi Nakagawa