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text:sesuisho:n_sesuisho7-121

醒睡笑 巻7 舞

14 人々池の辺に遊ぶ蛙を見付け塊を打つ・・・

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人々、池の辺に遊ぶ蛙(かはづ)を見付け、塊(つぶて)を打つ。年ふけたる人、「さやう悪(わろ)き手すさびをはせざれ。今こそ生れさがり、田の中、堀の端(はた)に住め1)、いにしへはあれも大名であつたものを」。「虚空なることを言ふ」。「まぎれもなし。夜討曽我(ようちそが)に、『さこそ尊霊(そんりやう)かはづ殿2)』とて、あだにも言はぬは」。

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一 人々池の辺(ほとり)にあそぶ蛙(かはず)を見付塊(つぶて)をうつ年(とし)
  ふけたる人さやふわろき手すさひをはせざ
  れ今こそ生れさがり田の中堀のはたにため
  いにしへはあれも大名であつた物をこくう
  なる事をいふまきれもなし夜討(ようち)曽我に
  さこそ尊霊(そんりやう)蛙(かはづ)殿とてあたにもいはぬは/n7-57l
1)
「住め」は底本「ため」。諸本により訂正。
2)
蛙殿・河津殿
text/sesuisho/n_sesuisho7-121.txt · 最終更新: 2022/09/17 11:57 by Satoshi Nakagawa