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text:sesuisho:n_sesuisho7-114

醒睡笑 巻7 舞

7 伊勢海老をゆでて赤うなると聞いて朱鑓の柄をも・・・

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「伊勢海老をゆでて赤うなる」と聞いて、「朱鑓(しゆやり)の柄をもゆでたものぞ1)」と語る。「海老はまことなり。鑓の柄は朱塗りにて塗りたるものなり」と教ゆる。「そちのが、かたそばよ。鑓の柄の二間・三間あるを、ゆてたが珍しからうことは。それより大きなる京・鎌倉をさへゆでもし、煎りもしたは」。「うつけには薬がない」と笑ひし時、「堀河夜討2)に、『鎌倉をゆでて二十日に都いりとぞ聞こえける3)』」

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一 伊勢海老(ゑび)をゆでてあかふなるときいて朱
  鑓のえをもゆてた物ぞとかたる海老は実(まこと)
  也鑓のえは朱塗(しゆぬり)にてぬりたる物なりとをし
  ゆるそちのがかたそばよ鑓のえの二間三間
  あるをゆてたがめつらしからふ事はそれより大
  なる京鎌倉(かまくら)をさへゆでもしいりもしたは
  うつけには薬がないとわらひし時堀河夜討(ようち)/n7-54l
  にかまくらをゆでて廿日に都入とそ聞えける/n7-55r
1)
躻 1参照。
2)
舞の本「堀河夜討」
3)
「鎌倉を出でて・・・都入り」を「鎌倉を茹でて・・・都煎り」と思った。
text/sesuisho/n_sesuisho7-114.txt · 最終更新: 2022/09/11 22:02 by Satoshi Nakagawa