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text:sesuisho:n_sesuisho7-099

醒睡笑 巻7 謡

41 信長公へ客あり御膳出づるに・・・

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信長公1)へ客あり。御膳出づるに、「これは一段粗相(そさう)なる仕立や」と仰せらるる。折節、連一2)候ひて、昔より大名の聞こし召す3)ものは、粗相なるが本(ほん)と聞こえて、兼平4)に、『口惜しの君の御振舞ひや候ふと申せしに、判官5)これを聞こし召し6)』と」。

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一 信長公へ客(きやく)あり御膳(ぜん)出つるに是は一段そ/n7-49r
  さうなる仕立(したて)やと仰らるる折節連一(れんいち)候て
  昔より大名のこしめす物はそさうなるか本と
  聞えて兼平(かねひら)に口惜の君の御振舞や候
  と申せしに判方これをきこしめしと/n7-49l
1)
織田信長
2)
杉原連一
3)
「聞こし召す」は底本「こしめす」。諸本により補う。
4)
謡曲「兼平」
5)
源義経
6)
兼平「こは口惜しき御諚かな。さすがに木曽殿の、人手にかかり給はん事、末代の御恥辱」。
text/sesuisho/n_sesuisho7-099.txt · 最終更新: 2022/09/06 14:36 by Satoshi Nakagawa