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醒睡笑 巻7 謡
42 和泉の国万代の八幡にて能あり・・・
校訂本文
和泉の国万代(もず)の八幡(はちまん)にて能あり。実盛1)をしけるが、「あつぱれ、おのれは日本一の剛(かう)の者2)」と言ふて、きつと傍らを見る。同じ並びに国府(こふ)の清水とて名所あり。また、並びの在所に黒鳥(くろどり)といふあり。年ふけたる男、わがことを言ふかと思ひ、「いや、おれは国府(かふ)の者では候はぬ。黒鳥の百姓じや」と。
翻刻
一 和泉の国万代(ことず)の八幡にて能あり実盛 をしけるかあつはれをのれは日本一の剛 の者といふてきつとかたはらを見る同ならびに 国府(こを)の清水とて名所あり又ならびの 在所にくろどりといふあり年ふけたる男/n7-49l
我か事をいふかとおもひいやおれはかうの者 ては候ぬくろとりの百姓じやと/n7-50r
text/sesuisho/n_sesuisho7-100.txt · 最終更新: 2022/09/06 14:49 by Satoshi Nakagawa