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醒睡笑 巻7 謡
32 楊貴妃の能に太夫がしるしの簪を解かんとするに・・・
校訂本文
楊貴妃の能に、太夫がしるしの簪(かんざし)を解かんとするに、面を結うたる糸に結ぼれ、つひに解けず。せんかたなければ、面ともにとりそへて渡す。脇が二色(ふたいろ)を手に持ち、「しるしの簪、面まで賜はり1)」と謡ひごとは。
大夫の素顔、いかが候はん2)。
翻刻
一 やうきひの能に太夫がしるしの簪(かんさし)をとかん とするに面をゆふたるいとにむすほれ終(つゐ)に/n7-46l
とけずせんかたなけれは面ともにとりそへ てわたすわきが二いろを手にもちしるしの かんさし面まてたまはりとうたひことは 大夫のすかほいかか候はん/n7-47r
text/sesuisho/n_sesuisho7-090.txt · 最終更新: 2022/09/03 14:58 by Satoshi Nakagawa