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醒睡笑 巻7 謡
22 正月二十五日法然の御忌を拝せんと人あまたいざなひ知恩院へ参るに・・・
校訂本文
正月二十五日、法然の御忌(ぎよき)を拝せんと、人あまたいざなひ、知恩院へ参るに、目もあかぬほど雪の降りしを、「さて憎き雪や」と言ふ者ありし時に、一人が、「昔より、『上人の霊前へ供物(そなへもの)に降らではかなはぬ』と書いておいた」。選択集(せんぢやくしふ)1)に2)あるか」。「いや、難波3)に、『雪はほうねん4)の御調物(みつぎもの)』と」。
翻刻
一 正月廿五日法然(ほうせん)の御忌(きよき)を拝せんと人あま たいさなひ知恩院へ参るに目もあかぬ程雪 のふりしをさてにくき雪やといふ者ありし 時にひとりが昔より上人の霊前(れいせん)へそなへ 物にふらではかなはぬとかいてをいた選択集(せんしやくしう) あるかいや難波(なには)に雪はほうねんの御調(みつき)物と/n7-42l
text/sesuisho/n_sesuisho7-080.txt · 最終更新: 2022/08/17 12:55 by Satoshi Nakagawa