text:sesuisho:n_sesuisho7-061
醒睡笑 巻7 謡
3 信長公の御前に連一検校候ひつる時傘持何としたりけん傘袋を落したるを・・・
校訂本文
信長公1)の御前に、連一検校2)候ひつる時、傘持(かさもち)、何としたりけん、傘袋を落したるを、「曲事(くせごと)なり」とて折檻あるに、連一申しけるは、「物を落すは昔よりある習ひと聞こえてござある」。「何物がいたぞ」と仰せの時、「高砂に尾上の鐘もおとすなり3)」と。すなはち御機嫌なほりぬ。
翻刻
一 信長公の御前に連一検校(れんいちけんぎやう)候ひつるとき 傘持(かさもち)なにとしたりけん傘袋(かさふくろ)をおとしたるを 曲事也とて折檻(せつかん)あるに連一申けるは物を おとすは昔よりあるならひと聞えて御座ある なに物がいたぞと仰(おふ)せの時高砂に尾上の鐘(かね)も/n7-35r
おとすなりと即(すなはち)お機嫌(きげん)なをりぬ/n7-35l
text/sesuisho/n_sesuisho7-061.txt · 最終更新: 2022/08/15 16:42 by Satoshi Nakagawa