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text:sesuisho:n_sesuisho7-060

醒睡笑 巻7 謡

2 山姥は福分の人にてあると聞くが耕作はせず商ひの音もなし・・・

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「山姥(やまうば)は福分の人にてあると聞くが、耕作はせず、商ひの音もなし。何としたることに有徳(うとく)なるぞよ」と1)不審する。「奇特(きどく)を言はるる。言葉には言へど、目に見る者なし。その上、不弁(ふべん)・分限(ぶんげん)をまで、いかにとして知られたるぞ」。「かくれもない。山姥2)に作りたるは。『八木(はちぼく)たうたうとして3)』と」。

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一 山姥(うは)は福分(ふくぶん)の人にてあると聞(きく)が耕作(かうさく)はせ
  ずあきなひのをともなしなにとしたる事
  にうとくなるぞよ不審(ふしん)する奇特(きどく)をいはるる/n7-34l
  こと葉にはいへと目に見る者なし其上不(ふ)
  弁(へん)分限(ふんけん)をまでいかにとしてしられたるぞかく
  れもない山うはにつくりたるは八木(はちぼく)たう
  たうとしてと/n7-35r
1)
底本「と」なし。諸本により補う。
2)
謡曲「山姥」。
3)
「山姥」では「伐木丁々として」。八木は米のこと。
text/sesuisho/n_sesuisho7-060.txt · 最終更新: 2022/08/15 16:42 by Satoshi Nakagawa