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醒睡笑 巻6 推はちがうた
21 法談は過ぎてもつひに座を立たぬ男ありき・・・
校訂本文
法談は過ぎても、つひに座を立たぬ男ありき。道心者の老(らう)したるが、あながちに感じ思ふ。「一句の聴聞をのぞむ人さへまれなるに、ありがたき志(こころざし)かな。呼び入れて、茶をも参らせんや」と、かれに伺ひたれば、「あまり長談義に、しびりがきれて立たれぬは」と言うた。
翻刻
一 法談は過ても終に座をたたぬ男ありき道 心者の老したるかあなかちにかんじおもふ一句 の聴聞をのぞむ人さへまれなるにありかたきここ/n6-50l
ろさしかなよび入て茶をも参らせんやとかれ にうかがひたればあまり長談義にしびりが きれてたたれぬはといふた/n6-51r
text/sesuisho/n_sesuisho6-104.txt · 最終更新: 2022/05/28 15:03 by Satoshi Nakagawa