ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho6-058

醒睡笑 巻6 若道知らず

6 若き僧一夜の宿を借りけるに十一・二歳なる少人同じ座敷に寝ねたるに・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

若き僧、一夜の宿を借りけるに、十一・二歳なる少人(せうにん)、同じ座敷に寝(い)ねたるに、何事やありけん、亥の時ばかりに、「母(かか)よ、母よ、尻に火かついたは」と、しきりに呼ばはる。「あら悲しや」と急ぎふためき、火を持ち来たり見て、「大事もないぞ。お坊主様の精(せい)が入つて消して給はつたは」。

  人はただ十二三より十五六盛り過ぐれは花に山風

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 わかき僧一夜の宿をかりけるに十一二歳なる
  少人同座敷にいねたるに何事やありけん亥の
  時はかりにかかよかかよ尻に火かついたはとしき
  りによははるあらかなしやといそきふためき火を
  もち来り見て大事もないぞお坊主様のせいが
  いつてけしてたまはつたは
   人は唯十二三より十五六
   さかり過れは花に山風/n6-29r
text/sesuisho/n_sesuisho6-058.txt · 最終更新: 2022/05/05 14:23 by Satoshi Nakagawa