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text:sesuisho:n_sesuisho6-059

醒睡笑 巻6 若道知らず

7 治部卿が児の手を取りいろいろさまざまに言葉を尽せど・・・

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治部卿1)が児(ちご)の手を取り、いろいろ、さまざまに言葉を尽せど、ゆめばかりも領状せず。あげくに、児の利口こそをかしけれ。「われが尻は守護不入(しゆごふにふ)なり」と。

時に治部卿、憎さのままの返答に、「それほど結構さうに、なのたまひそ。守護不入の所から、再々夫(ぶ)2)の出たを、われがよく聞き参らせたぞ」と。

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一 治部卿が児の手をとりいろいろ様々にことはを/n6-29r
  つくせどゆめはかりも領状せすあけくに児
  の利口こそおかしけれわれか尻は守護不入
  なりと時に治部卿にくさのままの返答にそ
  れほと結構さうになのたまひそ守護不入の
  ところからさいさい夫のでたをわれかよく
  きき参らせたぞと/n6-29l
1)
僧の名
2)
「人夫」と屁の音をかけている。
text/sesuisho/n_sesuisho6-059.txt · 最終更新: 2022/05/05 14:23 by Satoshi Nakagawa