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醒睡笑 巻5 人はそだち
34 犬を好き飼ふ者あり名を呼んで鳴子の露と言ふ・・・
校訂本文
犬を好き飼ふ者あり。名を呼んで「鳴子(なるこ)の露」と言ふ。「何たる子細にかく言ふぞ」と、人の問ふことあれば、「月にも闇にも吠へかかるまま1)、付けたり」。
陸奥(みちのく)の人ありて聞き、「おもしろや」と吟じ、わが犬を「鳴子の露」と呼ぶ。そのゆゑを問へば、「よく人にほさかかり申すは」と。
翻刻
一 犬をすき飼(かふ)者あり名をよんて鳴子(なるこ)の露 といふなにたる子細にかくいふぞと人の とふ事あれば月にも闇(やみ)にもほへかかるまま つけたり陸乃奥(みちのく)の人ありてききおもしろ やと吟し我犬を鳴子の露とよふ其故を とへばよく人にほさかかり申はと/n5-68r
1)
吠えかかる・穂へかかる
text/sesuisho/n_sesuisho5-101.txt · 最終更新: 2022/04/01 13:02 by Satoshi Nakagawa