text:sesuisho:n_sesuisho5-089
醒睡笑 巻5 人はそだち
22 塗師屋の息子手を書きならひて執筆をするあり・・・
校訂本文
塗師屋(ぬしや)の息子、手を書きならひて執筆(しゆひつ)をするあり。祈祷連歌より戻りたるを、貴人の方より呼び出だし、会席など趣(おもむき)を尋ね給へるに、誰は十句(く)それは八句と語る。また、「その名は知らず。内赤(うちあか)の小袖着たる人、五ぐ1)出だされてありつるうちを、三ぐは良しとてとめられ、二ぐは悪しきとて戻された」と。
翻刻
一 ぬしやのむすこ手を書ならひて執筆を するあり祈祷連歌よりもどりたるを貴 人のかたよりよび出し会席なと趣(おもむき)を たつねたまへるに誰は十句それは八句とかたる又 其名はしらす内あかの小袖きたる人五ぐ出 されてありつるうちを三ぐはよしとてとめ られ二ぐはあしきとてもどされたと/n5-62r
1)
五具。商売柄、しゃべっているうちに句(く)というべきところが、具(ぐ)になった。
text/sesuisho/n_sesuisho5-089.txt · 最終更新: 2022/03/25 10:42 by Satoshi Nakagawa