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text:sesuisho:n_sesuisho5-058

醒睡笑 巻5 上戸

16 小機嫌のよき折節懺悔物語をしけるが・・・

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小機嫌のよき折節、懺悔物語(さんげものがたり)をしけるが、一人言ふやう、「この五体を作る神にても仏にてもあれ、あつらへたいことがあるは」。「何たる望みぞや」。「さればよ、上々の酒を飲む時、しづかに噛み砕き吟味せんとたくめど、いかにも口へ入れば、そのまま喉へざうさもなく走りこむ。あまりに残り多し。鶴類(つるるい)のやうに作りて持ちたい」と。

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一 小機嫌(きげん)のよき折節さんげ物がたりをしける
  がひとりいふやう此五体をつくる神にても仏
  にてもあれあつらへたい事があるはなにたる
  望(のそみ)そやさればよ上々の酒をのむ時しづかに
  かみくたき吟味せんとたくめどいかにも
  口へいればそのままのどへさうさもなくはしり
  こむあまりに残多し鶴類(つるるい)のやうに
  つくりてもちたいと/n5-45l
text/sesuisho/n_sesuisho5-058.txt · 最終更新: 2022/03/10 22:30 by Satoshi Nakagawa