text:sesuisho:n_sesuisho5-054
醒睡笑 巻5 上戸
12 きとしたる人のもとへ参るたび酒を給はるに・・
校訂本文
きとしたる人のもとへ参るたび、酒を給はるに、いかにもかろく七分ばかりつぐ酌取りあり。理のすまぬことに思ひたくみ、ある時、朽ちたる木を包み、上に「伽羅二両」と書きて、かの給仕に持参しける。
開けて見、大きに腹立し、「憎い1)奴かな。あいつに今度からせうやうがある」とたくみ、盃にこぼるるほどづつ盛りけり。
憎まれて得をしたるたくみ、あたらしし2)。
翻刻
やつかなあいつに今度からせうやうがあるとた くみ盃にこほるるほどづつもりけり にくまれてとくをしたるたくみあたらしし/n5-44r
text/sesuisho/n_sesuisho5-054.txt · 最終更新: 2022/03/07 22:39 by Satoshi Nakagawa