text:sesuisho:n_sesuisho5-043a
醒睡笑 巻5 上戸
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校訂本文
雲静かに風条(えだ)をならさぬ日を幸ひ、一瓶を携へ東山に出づる俗あり。また痩黒みて白髪たる抖擻(とそう)の僧、始めより八坂の塔に休らひし。これも霊山の方へ歩む。二人道づれし語り行く。清水奥の千手堂舞台の端にて、彼の提物(ささげもの)を開き、飲て僧に進む。今曾(かつ)て取り合はず。
翻刻
上戸 一 雲静ニ風条ヲナラサヌ日ヲ幸一瓶ヲ携 東山ニ出ル俗アリ又痩黒ミテ白髪タル抖擻ノ僧 始ヨリ八坂ノ塔ニ休ヒシ是モ霊山ノ方ヘ歩ム二人道 ヅレシ語行清水奥ノ千手堂舞臺ノ端ニテ彼 提物ヲ開キ飲テ進ム僧ニ今曾テ不取合俗云生得酒ノ/n5-23l
text/sesuisho/n_sesuisho5-043a.txt · 最終更新: 2022/03/05 22:49 by Satoshi Nakagawa