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text:sesuisho:n_sesuisho5-002

醒睡笑 巻5 婲心

2 もとは都に住みて、子ども五人持ちしが住みわびて筑紫に下りし・・・

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もとは都に住みて、子ども五人持ちしが、住みわびて筑紫に下りし。ある時、妻の方への文に 、「絹十疋・錦百把(ば)参らする。ただし偽りなり」と書きたり。

その返事に、

  心ざしある方よりの偽りは世のまことより嬉しかりけり

となん言ひやりける。

女房の思惑、ためしなにこそ。

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翻刻

一 もとは都にすみて子とも五人持しが住侘(わび)て/n5-3l
  筑紫(つくし)にくだりし或時妻(つま)の方への文に
  絹(きぬ)十疋錦百把(ば)まいらするただし偽(いつはり)なり
  とかきたりその返事に
   心さしあるかたよりのいつはりは
    世のまことよりうれしかりけり
  となんいひやりける女房のおもはくためしなに
  こそ/n5-4r
text/sesuisho/n_sesuisho5-002.txt · 最終更新: 2022/02/08 21:48 by Satoshi Nakagawa