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醒睡笑 巻4 そでない合点

47 酒の出たるを一口飲みてさてさてよき御すいで候ふと讃むる・・・

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酒の出たるを一口飲みて、「さてさて、よき御(ご)すい1)で候ふ」と讃むる。人みな笑ふ。腹立(ふくりふ)して、「わがものを知らねば、必ず人の金言をえ聞かぬぞや。かやうに良き酒をば、昔より『御すい』といふが、本(ほん)にてあるぞよ」。「それは誰に聞かれたるぞ」。「いや、『楊貴妃2)』に、『まづ天上の五すい3)』とつくつたは」。

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一 酒の出たるを一口のみて扨々よき御すいで
  候とほむる人みな笑ふ腹立して我か物を
  しらねばかならす人の金言をえきかぬぞや
  かやうによき酒をは昔より御すいといふか本
  にてあるそよそれは誰にきかれたるそいや
  楊貴妃に先天上の五すいとつくつたは/n4-54r
1)
御酔
2)
謡曲『楊貴妃』
3)
五衰
text/sesuisho/n_sesuisho4-089.txt · 最終更新: 2022/01/23 21:51 by Satoshi Nakagawa