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刀の売買(うりかひ)ありし。持ち主は、「二尺三寸に余りたれば二尺五寸」と言ふ。また買ふ人は、「いや、五分や三分長くとも、二尺三寸」と言うて争ひけるが、「目利きする上にこそ、そのならひはあらんずれ」と、鍛冶のもとに行き聞きてあれば、「両方ながらよく見られた。これは二尺四寸といふ物ぢや」。

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一　刀のうりかひありしもちぬしは二尺三寸に
　　あまりたれは二尺五寸といふ又かう人はいや
　　五分や三分なかくとも二尺三寸といふてあら
　　そひけるがめききするうへにこそ其ならひ
　　はあらんすれとかちのもとにゆきききて
　　あれは両方なからよく見られたこれは二尺
　　四寸といふ物ちや／n4-17l