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醒睡笑 巻3 自堕落
14 ある一人坊主烏賊を黒あへにしてたまはるところへ・・・
校訂本文
ある一人坊主、烏賊(いか)を黒あへにしてたまはるところへ、ふと人来たれり。口をぬぐはん料簡(れうけん)も1)なかりつるに、「そなたの口は何とて黒いぞや。鉄漿(かね)を付けられたか」と問ふ。「いや、あまり寒きに、ただ今燃えはしを一口食ふた」と。
翻刻
一 ある一人坊主烏賊(いか)をくろあへにしてたま はる処へふと人来れり口をぬくはん料(れう) 簡(けん)となかりつるにそなたの口はなにとて/n3-42r
くろいそやかねをつけられたかととふいやあま りさむきに只今もえはしを一口くふたと/n3-42l
1)
「も」は底本「と」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho3-090.txt · 最終更新: 2021/10/30 23:14 by Satoshi Nakagawa