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醒睡笑 巻3 自堕落
12 大名の家に奉公の望みをかけたるがやうやくととのひぬれば・・・
校訂本文
大名の家に奉公の望みをかけたるが、やうやくととのひぬれば、奏者(そうじや)について出仕(しゆつし)をとげしついでに、せがれを御目にかけたきむね、申しふくむる。すなはち連れて礼儀すみけり。
時に主たる人、「そちは近きころの落堕(らくだ)といふが、成人の子は何と。養子か」と問はれて、「いや喝食(かつじき)1)でのせがれ」と申し上ぐる。
翻刻
一 大名の家に奉公の望(のぞみ)をかけたるが漸調ひ ぬれば奏者(そうじや)について出仕をとけし次てに/n3-41r
せがれを御目にかけたきむね申ふくむる 即(すなはち)つれて礼義すみけり時に主たる人 そちはちかき比の落堕(らくだ)といふが成人(せいじん)の子 はなにと養子(やうし)かととはれていや喝食ての せがれと申あぐる/n3-41l
1)
寺の児
text/sesuisho/n_sesuisho3-088.txt · 最終更新: 2021/10/30 17:52 by Satoshi Nakagawa