text:sesuisho:n_sesuisho3-082
醒睡笑 巻3 自堕落
6 ひそかにつかはす使の小者久しく病に臥しけり・・・
校訂本文
ひそかにつかはす使の小者、久しく病1)に臥しけり。せんかたなくて、坊主みづから魚屋に行く。
いかにも夜更け静まりたるに、門を叩く音せり。内より、「誰人ぞ」と高声(かうしやう)にとがめければ、「在家屋から魚買ひに来た。戸を開けよ」と。
翻刻
一 ひそかにつかはす使の小者ひさしくやまふ にふしけりせんかたなくて坊主みづから 魚屋にゆくいかにも夜ふけしつまりたる/n3-38l
に門をたたくをとせり内よりたれ人そと 高声にとかめけれは在家屋から魚かいに きた戸をあけよと/n3-39r
1)
「病」は底本「やまふ」。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho3-082.txt · 最終更新: 2021/10/27 22:27 by Satoshi Nakagawa