text:sesuisho:n_sesuisho3-068
醒睡笑 巻3 文の品々
2 青蓮院殿へ出入りする筆匠あり・・・
校訂本文
青蓮院殿(しやうれんゐんどの)へ出入りする筆匠(ふでゆひ)あり。尊鎮門跡(そんちんもんぜき)1)に言上(ごんじやう)するやう、「別して御中よきそのなにがし殿へ、挙状(きよじやう)を一通下されよかし」と。御領掌(ごりやうじやう)ばかりにうち過ぐる。
折々これを望めば、あまりさりがたきまま、「心得たり」とて、つかはし給ふ文体、「この筆匠それへ参り候ふ。ぬしは上手と申し候ふ」。
さはらすしてすうだ。
翻刻
一 青蓮院殿へ出入する筆匠(ふてゆい)あり尊鎮門跡(そんちんもんぜき)/n3-30l
に言上するやう別して御中よき其なに がし殿へ挙(きよ)状を一通下されよかしと御領(れう) 掌(じやう)斗にうち過る折々是を望(のそ)めば あまり難去(さりがたき)まま心得たりとて遣(つかは)し給ふ 文体此筆匠(ゆい)それへ参候ぬしは上手と 申候 さはらすしてすふだ/n3-31r
1)
尊鎮法親王
text/sesuisho/n_sesuisho3-068.txt · 最終更新: 2021/10/18 16:06 by Satoshi Nakagawa