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text:sesuisho:n_sesuisho3-067

醒睡笑 巻3 文の品々

1 根来にて岩室の梅松とかや聞こえし若衆に・・・

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根来(ねごろ)1)にて、岩室の梅松とかや聞こえし若衆に、ぎこつなき法師の思ひを寄せながら、言ひ寄らんたよりもなければ、せせり書きする人を語らひ、「文を一つ書きてくれられよ。文章のことは、われ好まん」となり。「ともかくも」と筆を染めうかがひゐければ、「おれはそなたに惚れたげな。恋の心か、頭(かしら)が痛い」と。

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   文之品々
一 根来(ねごろ)にて岩室(いはむろ)の梅松とかや聞えし
  若衆にきこつなき法師のおもひをよせ
  ながらいひよらんたよりもなければせせりがき
  する人をかたらひ文を一つかきてくれられよ
  ぶんしやうの事はわれこのまんとなりとも
  かくもと筆をそめうかがひゐけれはをれは
  そなたにほれたげな恋の心かかしらがいたいと/n3-30l
1)
根来寺
text/sesuisho/n_sesuisho3-067.txt · 最終更新: 2021/10/18 12:09 by Satoshi Nakagawa