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醒睡笑 巻3 不文字
15 いろはをも読まぬ者ありて常に人の酒飯と言ふは何事ぞや・・・
校訂本文
いろはをも読まぬ者ありて、「常に人の酒飯(しゆはん)と言ふは何事ぞや」。「『酒』は『さけ』と読む、『飯』は『めし』と読むぞ」。
「かたじけなし」と覚え、ある振舞ひの座にて、「今日のもてなしは酒飯(しゆはん)ともに出来参らせた」とほむる。かれが育ちをよく知りたる者あり。「酒飯とは何ぞ」。「酒はさけ、飯はめし」。「さて、『ともに』は」と問はれ、「椀(わん)・折敷でござあらうまでよ」と。
翻刻
一 いろはをもよまぬ者ありて常に人の酒飯(しゆはん) といふは何事そや酒はさけとよむ飯はめしと/n3-16l
よむそ忝しと覚ある振舞の座にて今日の もてなしは酒飯(しゆはん)ともに出来まいらせたとほむる かれかそだちをよくしりたる者有酒飯とはなん ぞ酒(しゆ)はさけ飯(はん)はめしさてともにはととはれ椀(わん) 折敷て御座あらふまでよと/n3-17r
text/sesuisho/n_sesuisho3-034.txt · 最終更新: 2021/09/26 12:09 by Satoshi Nakagawa