text:sesuisho:n_sesuisho3-033
醒睡笑 巻3 不文字
14 服部といふ侍に文字を問ふ・・・
校訂本文
服部(はつとり)といふ侍に、文字を問ふ。つひに名字の答へやうを知らず。人教へて「『ふくべ』と書く」と。「ふくべとは瓢箪(へうたん)のことかや」。「なかなか」。
ある者、「御名字の『はつとり』とは」。「それこそ、『へうたん』と書き候ふ」。
親当1)
世の中に書くべきものは書かずして事をかくなり2)恥をかくなり
翻刻
一 服部といふ侍に文字をとふつゐに名字の答(こたへ) やうをしらす人をしへてふくべと書とふくへとは ひようたんの事かや中々ある者御名字のはつ とりとはそれこそひようたんとかき候 親当 世の中に書へき物はかかずして 事をかくなり恥をかくなり/n3-16l
text/sesuisho/n_sesuisho3-033.txt · 最終更新: 2021/09/25 23:01 by Satoshi Nakagawa