text:sesuisho:n_sesuisho3-032
醒睡笑 巻3 不文字
13 物は書かねど利口な者にてんびんとは何ぞ書くぞや・・・
校訂本文
物は書かねど利口な者に、「『てんびん』とは何ぞ書くぞや」。「継母(ままはは)と書く」と答ふ。「それは不都合なること」と言ふ。「さればこそ、唐(から)から本(ほん)の文字はあらうと、ままよ、『継母』と書くがよい。なぜになれば、食へど食はねど叩きたがる」。
たたいてはすりたたいてはすり
髪惜しうい子を膝に抱き乗せて
翻刻
一 物はかかねど利口な者にてんひんとは何そかく そや継母と書とこたふそれは不都合なる事 といふさればこそ唐から本の文字はあらふ とままよままははとかくかよひなせになれは くへとくはねとたたきたかる たたいてはすりたたいてはすり 髪おしむうい子を膝にたきのせて/n3-16r
text/sesuisho/n_sesuisho3-032.txt · 最終更新: 2021/09/25 22:49 by Satoshi Nakagawa