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醒睡笑 巻2 貴人の行跡
12 大名のもとへ客あり振舞ひに湯漬け出でたり・・・
校訂本文
大名のもとへ客あり。振舞ひに湯漬け出でたり。その席へまた客あり。それにも膳を据ゑたり。
また客あり。「膳を出せ」とあれども、つひに出だしかぬる時、物まかなふ者を呼び出だし、「何とて手間もいらぬことの遅きや。湯を得わかさぬか」と歯を抜かるる時、手をつかねて、「湯はごさるが、漬(づ)けが御座ない」と申したるにぞ、どつと笑ひになりにける。
翻刻
一 大名のもとへ客あり振舞に湯漬出たり 其席へ又客ありそれにも膳をすへたり又 客あり膳を出せとあれともつゐに出かぬる 時物まかなふ者をよひ出し何とて手間も いらぬ事のをそきや湯を得わかさぬかと はをぬかるる時手をつかねて湯は御さるが づけか御座ないと申たるにそとつとわら/n2-20r
ひになりにける/n2-20l
text/sesuisho/n_sesuisho2-032.txt · 最終更新: 2021/07/20 13:00 by Satoshi Nakagawa