ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho1-149

醒睡笑 巻1 祝ひ過ぎるも異なもの

17 こびたる禅門山林に行き暮れて一宿せり・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

こびたる禅門、山林に行き暮れて一宿せり。亭坊(ていばう)向顔(かうがん)の後、「その方はいづれの道をか心にかけ給ふや」と問はれ、「打成一片(だじやういつぺん)1)歌の道に嗜みあり」と。「さあらば、わが身老衰せり。松鶴の齢(よはひ)によそへ、めでたう発句を」とありしに、しばらく案じて後、

  この寺の坊主を松につるすかな

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 こびたる禅門山林に行暮て一宿せり亭坊(ていほう)
  向顔(かうかん)の後其方はいつれの道をか心にかけ給ふ
  やととはれ不審片哥の道に嗜ありとさあ/n1-75r
  らは我か身(み)老衰(ろうすい)せり松鶴の齢(よはひ)によそへ目出
  たふ発句をとありしに暫(しはらく)案(あん)して後
   此寺の坊主を松につるすかな/n1-75l
1)
「打成一片」は底本「不審片」。注の混入したものか。諸本により訂正。
text/sesuisho/n_sesuisho1-149.txt · 最終更新: 2021/06/09 18:51 by Satoshi Nakagawa