text:myotatsu:ka_myotatsu13
13 中原興藤
校訂本文
甲斐国にありし大掾(だいじよう)中原興藤は、大般若経一部、法華経百部書き供養し奉れり。これによりて、せはら国1)の王となれり。ただし、どの王の身は常に苦しみ痛むことあり。そのゆゑは、経を書かせし時に、夫妻一所に臥せりき。この穢らはしき罪によりて、この苦しび王の身にあり。
翻刻
甲斐国にありし大掾中原興藤は大般若経一部法花経百 部書供養したてまつれり是によりてせはら国の王となれり 但其王の身はつねにくるしみいたむ事ありその故は経をかかせ し時に夫妻一所にふせりきこのけからはしきつみによりてこの/n2-54r・e2-51r
苦ひ王の身にあり/n2-54l・e2-51l
1)
蘇羅婆国か。
text/myotatsu/ka_myotatsu13.txt · 最終更新: 2024/10/05 12:41 by Satoshi Nakagawa