ぬかたのおおきみ 生没未詳
万葉集第一期を代表する女流歌人。『日本書紀』天武記に「天皇初娶鏡王女額田姫王、生十市皇女」とあり、鏡王(伝不詳)の子で、十市皇女の母であること以外、詳らかでない。初め大海人皇子(天武天皇)の寵愛を受け十市皇女を生み、後に天智天皇に召されたと考えられている。
なお、十市皇女は天智天皇皇子の弘文天皇(大友皇子)の妃となり、葛野王(懐風藻の作者)を生んだ。
万葉集中に長歌3首、短歌10首(7,8,9,16,17,18,20,112,113,151,155,488,1606)が見えるが、そのほとんどが、斉明・天智朝の13年間に詠まれたもの。
勅撰和歌集には、新勅撰和歌集、新拾遺和歌集に計3首が入集。