menu
更新停止
管理人の小部屋
ブログ最新記事
- 4月14日の国会議事堂前デモ (2018/04/22 22:19)
- 『打聞集』はじめました (2018/04/20 23:35)
- 源光行『蒙求和歌』の電子テキストを公開しました (2018/04/19 21:46)
- インラインスケートを試してみた(その2) (2018/04/12 00:29)
- 塙保己一記念館・生家・墓に行ってきた (2018/04/06 21:21)
十訓抄 第十 才芸を庶幾すべき事
同じき式部1)が女(むすめ)、小式部内侍、この世ならずわづらひけり。
かぎりになりて、人顔なども見知らぬほどになりて、臥したりければ、和泉式部、かたはらにそひて、額(ひたひ)をおさへて泣きけるに、目をわづかに見開けて、母が顔をつくづくと見て、息の下に、
いかにせんいくべき方もおもほえず親に先立つ道を知らねば
と、わななきたる声にて候ひければ、天井の上に、「あくびさしてやあらん」と思ゆる声ありて、「あな、あはれ」と言ひてけり。
さて、身のあたたかさも冷めて、よろしくなりにけり。
十三同式部カムスメ小式部内侍此世ナラスワツラヒケリ、限ニ 成テ、人カホナトモミシラヌホトニナリテ、臥タリケレハ、和泉 式部カタハラニソヒテ、ヒタイヲヲサヘテ泣ケルニ、目ヲワ ツカニミアケテ、母カカホヲツクツクトミテ、イキノシタニ、 イカニセンイクヘキ方モオモホエス、オヤニサキタツ道ヲシラネハ トワナナキタルコエニテ候ケレハ、天井ノ上ニアクヒサシテヤア ラントオホユルコエアリテ、アナ哀ト云テケリ、サテ身ノ アタタカサモサメテ、ヨロシク成ニケリ、/k50