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十訓抄 第八 諸事を堪忍すべき事
呂尚、文王の師となりて、いみじかりける時、かの妻、帰り来て、もとのごとくあらんことを乞ひ望む、その時に、呂尚父、桶一つを取り出でて、「これに水入れよ」と。言ふままに入れつ。「こぼせ」と言へば、こぼしけり。
さて、「もとのやうに返し入れよ」と言ふ時、妻、笑ひて、「土にこぼせる水、いかでか返し入れん」と言ふ。呂尚いはく、「なんぢ、われに縁尽きしこと、桶の水をこぼせるに同じ。今さら、いかでか帰り住まん」とぞ言ひける。
これら3)、もの妬みにはあらねども、貧しき世を忍びえず、心短きたぐひなり。
九呂尚父カ妻、同ク家ヲスミワヒテ離ニケリ、呂尚文王 ノ師トナリテイミシカリケル時彼妻カヘリ来テ、本 ノコトクアランコトヲコヒノソム、其時ニ呂尚父桶一ヲ取/k15
出テ、是ニ水入ヨト云ママニ入ツ、コホセトイヘハ、コホシケリ、 サテ本ノヤウニカヘシ入ヨト云時、妻ワラヒテ土ニコホセ ル水争カ返入ント云、呂尚云汝我ニ縁ツキシ事桶 ノ水ヲコホセルニ同シ、今更争カカヘリスマントソ云 ケル、是等物ネタミニハアラネトモ、貧シキ世ヲ忍ヒ エス、心ミシカキ類也、