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徒然草
第213段 御前の火炉に火を置く時は火箸して挟むことなし・・・
校訂本文
御前(ごぜん)の火炉(くわろ)に火を置く時は、火箸して挟むことなし。土器(かはらけ)よりただちに移すべし。されば、転び落ちぬやうに心得て、炭を積むべきなり。
八幡1)の御幸に供奉(ぐぶ)の人、浄衣を着て、手にて炭をさされければ、ある有職(いうそく)の人、「白き物を着たる日は、火箸を用ゐる、苦しからず」と申されけり。
翻刻
御前の火炉に火ををく時は。火ばしし てはさむ事なし。かはらけよりただちに うつすべし。さればころびおちぬやうに。 心得て。炭をつむべきなり。八幡の御幸 に供奉の人。浄衣をきて。手にて炭 をさされければ。ある有職の人。白き 物をきたる日は火ばしをもちゐる。くる しからずと申されけり/k2-54r
http://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he10/he10_00934/he10_00934_0002/he10_00934_0002_p0054.jpg
1)
石清水八幡宮
text/turezure/k_tsurezure213.txt.txt · 最終更新: 2018/10/29 21:19 by Satoshi Nakagawa