text:takafusa:s_takafusa073
73 ふる袖は涙に濡れて朽ちぬるをいかに立ち舞ふわが身なるらん
校訂本文
何の舞ひとかやに入りて、花やかなるまじらひをするにつけても、「あはれ、思ふことなくて、かかるまじらひをもせば、いかにまめならまし」とうち覚えて、また、さしも恨めしくあたれば、見るらんこともつつましくて、
ふる袖は涙に濡れて朽ちぬるをいかに立ち舞ふわが身なるらん
翻刻
なにのまひとかやにいりて はなやかなるましらひを するにつけてもあはれ思事 なくてかかるましらひをも せはいかにまめならましと うちおほえてまたさしも/s33r
うらめしくあたれは見る らんこともつつましくて ふる袖は涙にぬれてくちぬるを いかにたちまふわか身なるらん/s33l
text/takafusa/s_takafusa073.txt · 最終更新: 2024/05/22 21:37 by Satoshi Nakagawa