text:takafusa:s_takafusa052
52 待ちかねて明くればともにかかりけり涙は袖に月は山べに
校訂本文
あながちに歎くを、いとほしとや思ひけむ、「しかるべきにこそあらめ。立ちながら言はむ。そこにて待て」と言ひしかば、いといと嬉しくて、待ちゐたりしかど、有明の月も入りがたになりて、夜も明けにしかば、泣く泣く帰るとて、
待ちかねて明くればともにかかりけり涙は袖に月は山べに
翻刻
あなかちになけくを/s24l
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100002834/24?ln=ja
いとおしとやおもひけむ しかるへきにこそあらめた ちなからいはむそこにてまて といひしかはいといとうれしくて まちゐたりしかとありあけ のつきもいりかたになりて よもあけにしかはなくなくか へるとて まちかねてあくれはともにかかりけり なみたはそてにつきは山へに/s25r
text/takafusa/s_takafusa052.txt · 最終更新: 2024/03/27 11:57 by Satoshi Nakagawa