text:sesuisho:n_sesuisho8-batsu
醒睡笑 巻8 跋
跋
校訂本文
この草紙は、いまだ桜のみどりご1)の、年は十になり給ふといふ春、御父周防守殿2)の前にて、我が読むを、いかにも神妙に聞きおはします風情、栴檀(せんだん)は二葉よりの感に堪へで候ひきに、またかこひにて茶をたてて給うたるしほらしさ、いふばかりなければ、生(お)ひたたせ給ひてめでたうさかへ、末繁栄あるべき色までもゆかしく見及び、この書を書きて贈り侍るめり。
板倉侍従殿 参る
翻刻
此草紙はいまた桜のみとりこの年は十になり 給ふといふ春御父周防守殿の前にて我かよむ を如何にも神妙にききおはします風情栴檀は 二葉よりの感に堪てさふらひきに又かこひに て茶をたてて給ふたるしほらしさいふはかり なけれは生たたせたまひて目出たふさかへすゑ はんえいあるへきいろまても床しく見及 ひ此書をかきてをくり侍るめり 寛永五年三月十七日(前誓願)安楽老/n8-68l
板倉侍従殿 参/n8-69r
text/sesuisho/n_sesuisho8-batsu.txt · 最終更新: 2023/07/08 13:05 by Satoshi Nakagawa