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text:sesuisho:n_sesuisho8-164

醒睡笑 巻8 祝ひすました

11 桶結のありしが元日の朝ふと起き起き女房の言ひけるやうは・・・

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桶結(をけゆひ)のありしが、元日の朝ふと起き起き、女房の言ひけるやうは、「元三(ぐわんざん)から大晦日まで、ようゆひごと1)をする人には、お身よりほか、また二人ともあるまいぞ」。やがて男、「そのゆひごとは、千あらうと万あらうと、みなわが2)悪いからよ」と祝うたれば、その年、そこそこの仕合(しあは)せ、くれぐれよかりき。

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翻刻

一 桶結のありしが元日の朝ふとおきおきねう
  はうのいひけるやうは元三から大晦日まてよう
  ゆひ事をする人にはお身より外又ふたり
  ともあるまいぞやかて男そのゆひ事は
  千あらふと万あらふとみなわかわるいからよと
  いはふたれは其年そこそこの仕合くれくれよかりき/n8-66r
1)
結ひ事・言ひ事。「言ひ事」は文句を言うの意。
2)
輪が・我が
text/sesuisho/n_sesuisho8-164.txt · 最終更新: 2023/05/04 20:46 by Satoshi Nakagawa