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醒睡笑 巻8 茶の湯

10 法師あまた少人をともなひ清水へ詣でしがまづ茶屋に寄り休らふ・・・

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法師、あまた少人(せうじん)をともなひ、清水1)へ詣でしが、まづ茶屋に寄り休(やす)らふ。

その中に一人の若衆、甘茶を望み多く飲む。指南の法師思ふ、「甘き物は虫2)にたたる」と。また、「さきにては苦しからず。今はまづこらへられよ」と教訓しければ、「ここな人は、仰山(ぎやうさん)さうに。一斤飲うでも、銭二十こそすれ」。

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一 法師あまた少人をともなひ清水へまふてしか
  まつ茶屋によりやすらふ其中にひとりの若
  衆甘茶をのそみおほくのむ指南の法師
  おもふあまき物はむしにたたると又さきに
  てはくるしからす今はまつこらへられよと教
  訓しけれは爰な人はけうさんさうに一斤
  のうても銭廿こそすれ/n8-55l
1)
清水寺
2)
腹の虫
text/sesuisho/n_sesuisho8-144.txt · 最終更新: 2023/02/16 21:30 by Satoshi Nakagawa