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text:sesuisho:n_sesuisho8-100

醒睡笑 巻8 かすり

17 利陽にて鶯菜を持ち一人の女房鶯菜召せ召せと言うて売れば・・・

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利陽にて鶯菜(うぐひすな)を持ち、一人の女房、「鶯菜召せ、召せ」と言うて売れば、買はんとする人、「そちは片言(かたこと)を言ふ。『青菜召せ」とは、など言はぬぞ」。「鶯(うぐひす)に『あを1)』と読む声(せい)ありや」と。

かの売り手、勝ちにしことよ。

  鶯も笠きて出でよ花の雨  利休2)

  売りに来るほどをし問へばわが園の鶯菜とてね3)こそ高けれ  雄長老

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一 利陽にてうくひすなをもちひとりの女房
  鶯菜めせめせといふてうればかはんとする人
  そちはかたことをいふあをなめせとはなといは
  ぬぞうくひすにあをとよむこゑありやと
  彼うりてかちにし事よ
   鶯も笠きて出よ花の雨  利休/n8-40r
   売にくる程をしとへは我園の
   うぐひすなとてねこそ高けれ 雄長老/n8-40l
1)
鶯の声(音)は「アウ」。
2)
千利休
3)
音・値
text/sesuisho/n_sesuisho8-100.txt · 最終更新: 2022/11/29 21:51 by Satoshi Nakagawa