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醒睡笑 巻8 かすり
12 会下の寺あり座頭両人客殿にて平家を語る声方丈に聞こゆる・・・
校訂本文
会下(ゑげ)の寺あり。座頭両人、客殿にて平家を語る声、方丈に聞こゆる。東堂、手を拍(う)ち喝食を呼び、「表に琵琶を調ぶる音せり。平家にへいける聞て起こそ1)」。喝食、走り戻りて、「へいけなり。連れべいけでさふ」と。
翻刻
一 会下の寺あり座頭両人客殿にて平家を かたる声方丈に聞ゆる東堂手を拍喝食/n8-38l
をよひおもてに琵琶をしらぶる音せり平 家にへいける聞て起こそ喝食走戻てへ いけなりつれべいけてさう/n8-39r
1)
底本ママ。「岩波文庫」は「へいけ」を「べいけ(下手平家の略)」とし、「平家か、べいけか、聞いてこせよ(「上手か下手か聞いてこい」の意)」と解釈する。
text/sesuisho/n_sesuisho8-095.txt · 最終更新: 2022/11/29 11:18 by Satoshi Nakagawa