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醒睡笑 巻8 頓作
72 細川幽斎法印見附の国府といふ所にて宿主に向かひ・・・
校訂本文
細川幽斎法印、見附の国府(こふ)といふ所にて、宿主に向かひ、「これより富士1)は見えぬや」と尋ね給ふ。「されば、時によりて見え候ふ。あれへ出でて御覧候へ」と申す。
すなはち小高き所へ上がり見給へども、つひに見えざりければ、
方角もいざしら雲に目ぞくばる富士を見つけのこうのいらねば
翻刻
一 細川幽斎法印見つけのこうといふ処にて宿主/n8-30r
にむかひこれより冨士は見えぬやと尋たまふ されは時によりて見え候あれへ出て御覧 候へと申すなはちこだかき処へあかり見給へ どもつゐに見えざりけれは 方角もいさしら雲に目ぞくはる ふしを見つけのこうのいらねは/n8-30l
1)
富士山
text/sesuisho/n_sesuisho8-072.txt · 最終更新: 2022/11/13 15:31 by Satoshi Nakagawa