ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho7-102

醒睡笑 巻7 謡

44 当世は刀脇指数寄道具につけ何もみな似せ物あり・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

「当世は刀・脇差・数寄道具につけ、何もみな似せ物あり。手苦労物がはやる」といふ物語出でければ、「今ばかりではなし。昔よりあることなり。人間の噂はおきぬ、仏の上にさへ似せ物があつたればこそ、当麻(たえま)1)に、『正身(しやうじん)の弥陀如来、げに来迎2)』と作りたるは」と。

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 当世は刀(かたな)脇指(わきさし)数寄(すき)道具につけなにもみな
  にせ物あり手苦労(てくろう)物がはやるといふ物語
  出けれは今ばかりではなしむかしよりある
  事なり人間の噂(うはさ)はをきぬ仏の上にさへ/n7-50r
  似せものがあつたればこそ当麻(たへま)に正身の弥
  陀如来けに来迎と作りたるはと/n7-50l
1)
謡曲「当麻」
2)
当麻「生身の弥陀如来。実に来迎の時節よと」
text/sesuisho/n_sesuisho7-102.txt · 最終更新: 2022/09/06 22:25 by Satoshi Nakagawa