ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:sesuisho:n_sesuisho7-085

醒睡笑 巻7 謡

27 三好中納言殿にて大名衆に振舞あり・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

三好中納言殿1)にて、大名衆に振舞(ふるまひ)あり。朝食過ぎ酒二・三返(べん)通れども、つひに末座(ばつざ)にある芸者に膳をすゑず。その時申すやう、「殿様たち、飯を参りて候へば、早々われらごときの者に振舞を賜はるは、いにしへより定かなる時宜(じぎ)でござある」と。「その時宜をば、さらに聞かぬ」と、中納言殿仰せあれば、「楊貴妃2)に、『君きこしめされつつ、急ぎめし出だし3)』とござ候ふは」。

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 三好中納言殿にて大名衆に振舞(ふるまい)あり
  朝食過酒二三返とをれとも終(つゐ)に末座(ばつざ)に
  ある芸者に膳をすへず其時申様殿様達(たち)/n7-44l
  飯を参りて候へは早々我等こときの者にふる
  まひをたまはるは古(いにしへ)より定なる時宜(じぎ)て御さ
  あると其時宜をば更にきかぬと中納言殿
  仰あれば楊貴妃に君きこしめされつつ
  いそきめしいたしと御座候は/n7-45r
1)
豊臣秀次
2)
謡曲「楊貴妃」
3)
召し出だし・飯出だし
text/sesuisho/n_sesuisho7-085.txt · 最終更新: 2022/08/21 15:38 by Satoshi Nakagawa